停電・暗闇でも安心!東洋町防災センターが導入した蓄光階段と手摺とは?




背景:防災施設に求められる“視認性と安全性”の重要性
災害時の避難経路確保において、階段の安全性は極めて重要です。特に停電や夜間などの視界不良時には、段差の認識が困難となり、転倒・転落事故のリスクが高まります。こうした状況に対応するため、近年注目を集めているのが「蓄光式防滑階段材」や「蓄光手摺」といった製品群です。
視認性の高い素材を使った避難設備は、電力に頼らず暗闇でも光を放つことができるため、災害対策としてだけでなく、日常のバリアフリー環境整備にも貢献しています。実際、多くの公共施設や防災拠点でその導入が進められています。
アルシオール・ステップの特徴と階段段鼻・蹴上対策
アルシオール・ステップは、階段の段鼻や蹴上部分に取り付ける蓄光ノンスリップ材で、昼夜・雨天を問わず長期間にわたり高い視認性と防滑性を維持できる製品です。国土交通省のNETISに登録されており、性能の信頼性も高く評価されています。
また、2006年施行のバリアフリー新法に基づき、「段鼻には明度差(輝度比2以上)を付けること」「階段面は滑りにくくすること」といったガイドラインにも準拠しており、段差の視認と転倒防止を同時に実現します。夜間や停電時にも滑らず安心して階段を昇降できる環境を整え、防災面だけでなく日常の安全性向上にも大きく寄与しています。
アルシオール・CAハンドレールが実現する夜間安全性
アルシオール・CAハンドレールは、避難階段やスロープの手摺に蓄光材を埋め込んだ製品です。直径42.7mmおよび34mmのアルミ製ブラケット付きで、10mm幅・3mm厚の蓄光材が手摺にしっかりと組み込まれています。
この蓄光ラインは、停電時や照明が届かない暗所でも視認可能で、手を添えて安全に移動することが可能になります。避難時の誘導だけでなく、夜間の散歩や移動時の転倒防止など、日常的な安全対策としても活用されています。特に高齢者や視覚に不安を抱える人々にとって、大きな安心感を提供するアイテムです。
東洋町防災センターでの導入事例とその効果
高知県東洋町の防災センターでは、災害時の迅速な避難と夜間の安全性を両立させるため、アルシオール・ステップおよびCAハンドレールを導入しました。非常階段や避難通路の段鼻部分に蓄光材を施工し、さらに手摺にも同様の蓄光ラインを組み込むことで、照明が途絶えても視認誘導が可能となっています。
実際の運用では、「暗い中でも段差がはっきり見える」「手摺の光で安心して歩けた」といった利用者の声も多く、安全性の向上が実感されています。また、防滑機能により雨天時でも滑りにくく、転倒事故の防止にもつながっています。
災害対策・バリアフリー対応製品としての今後の展望
電力に依存せず、暗闇でも視認性を保てる高輝度蓄光素材のニーズは今後ますます高まると予想されます。アルシオール・ステップやCAハンドレールのような製品は、災害時だけでなく、日常生活のバリアフリー向上、環境負荷の軽減、維持管理コストの低減といった面でも大きなメリットがあります。
今後は、公共施設だけでなく、学校、マンション、ショッピングモールといった多様な場所での普及が期待されており、社会全体の“安心・安全な避難環境”の整備に貢献していくでしょう。
まとめ
災害時や停電時でも安全な避難を可能にするために、高知県東洋町防災センターが導入した「アルシオール・ステップ」と「CAハンドレール」は、視認性と防滑性を兼ね備えた優れた蓄光製品です。段鼻や手摺に組み込まれた高輝度蓄光材は、暗闇でも明確に光り、避難経路をしっかりと示します。バリアフリー新法にも準拠し、高齢者や障がいのある方にも安心を提供するこれらの製品は、今後ますます多くの施設や自治体での導入が期待される、防災とバリアフリーを両立させた次世代の避難安全対策です。