夜でも安心!焼津市の命山階段に“暗闇対策サインプレート”導入




焼津市が進める津波避難対策と命山階段の役割
焼津市では、南海トラフ地震による津波被害を想定し、住民の命を守るための高台避難施設「命山(いのちやま)」を市内に5基整備しました。命山は、低地に住む住民が短時間で避難できるように設計された人工の高台で、地震発生後の津波から身を守る“最後の砦”とも言える存在です。とくに階段部分は避難ルートとして重要な機能を担い、安全かつ確実な登坂が求められます。市はこれらを通じて、災害時の迅速な避難行動を可能にする防災体制の強化に取り組んでいます。
焼津市最後の命山「大井川港防災広場」の完成とその特徴
2021年2月、焼津市に整備された5基の命山のうち、最後のひとつとなる「大井川港防災広場」がついに完成しました。この命山は、大井川港周辺地域の住民が迅速に避難できるように設計されており、広場としての機能も兼ね備えた多目的な防災施設です。
この命山の完成により、津波避難の要となる高台避難ネットワークが市内全域に整備されたことになります。なかでも注目されているのが、避難階段に設置された「アベイラス アルシオール サインプレート」です。この装置は、非常時、特に夜間や停電などの状況下でも避難者を安全に誘導するために導入されました。焼津市がこれまでに培ってきた防災意識と技術の結晶ともいえる設備であり、地域の安心感を高める重要な一歩となっています。
暗闇でも避難できる!「アベイラス アルシオール サインプレート」とは?
「アベイラス アルシオール サインプレート」は、夜間や災害時の停電といった非常時でも避難経路を明示できる、蓄光式のサインプレートです。電気を使用しないため、全ての電源が喪失するようなブラックアウト時でも、自らの蓄えた光を放って発光し、避難者を安全に誘導する役割を果たします。
焼津市では、このサインプレートを命山の階段部に設置することで、夜間の地震や津波発生時における避難行動の確実性を高めました。特に津波避難では“数分の差”が命を分けると言われるなか、暗闇でも確実に登れる階段は、多くの市民にとって心強い存在です。
この装置は視認性・耐久性ともに高く、足元を照らすだけでなく、進行方向や注意点を直感的に示すデザインが採用されています。焼津市のように、万が一の事態にも備える自治体の防災対策のひとつとして、全国的にも注目されています。
停電・夜間地震のリスクに対応する避難誘導の課題と対策
近年、地震に伴う大規模停電、いわゆる“ブラックアウト”の被害が全国各地で発生しており、特に夜間の避難行動における課題が浮き彫りになっています。電気に依存した誘導灯や防災設備は、災害時に機能しなくなる可能性があるため、停電を前提とした避難経路の整備が求められてきました。
焼津市ではこうした課題に対応するため、「アベイラス アルシオール サインプレート」のような非電源型の暗闇対策を導入。これにより、地震発生直後の電力供給停止下でも、避難経路が明確に視認できるようになっています。
階段部に設置されたサインプレートは、発光ラインによって足元を照らし、段差や方向を自然に案内します。視覚的な混乱が起きやすい暗闇においても、避難者がパニックに陥ることなく行動できるよう配慮されており、誰もが安全に避難できる“ユニバーサルな設計”としても評価されています。
市民の安心の声と防災設備の今後への期待
「暗闇でも安心して階段を登れた」「これなら停電時でも迷わず避難できる」といった声が、焼津市民から多く寄せられています。夜間や停電時の避難という不安要素があるなか、「アベイラス アルシオール サインプレート」は、視認性と安心感を兼ね備えた設備として、多くの人々に受け入れられています。
実際に、設置された命山階段を利用した避難訓練では、高齢者や子どもを含む参加者が「夜でも見やすい」「滑りにくくて安心」と評価し、暗闇対策の必要性と効果を実感する場となりました。視覚障がいのある方や、避難に不安を抱える住民にとっても、こうした設備の存在は心理的負担を大きく軽減します。
今後は、他の公共施設や避難所への展開、防災教育の中での活用など、防災インフラ全体における活用が期待されています。焼津市のこの取り組みは、防災先進地域としての一歩をさらに進め、他の自治体にとっても大きな参考となる事例です。
まとめ
焼津市では、津波避難対策として市内に5基の「命山」を整備し、その最後となる「大井川港防災広場」が2021年に完成しました。特に注目を集めているのが、階段部に導入された「アベイラス アルシオール サインプレート」です。これは蓄光式のサインで、夜間や災害時の停電など、電力が失われた状況下でも避難経路を明確に照らすことができ、住民の安全な避難を支える設備として高く評価されています。
導入の背景には、夜間の地震やブラックアウトに対する避難の困難さがありました。サインプレートは足元を視覚的に案内し、パニックや転倒といった二次被害のリスクを減少させる効果もあり、避難経路としての信頼性を飛躍的に高めました。
市民からは「これで夜でも安心して避難できる」との声が多く寄せられ、防災設備への意識も高まっています。今後は、こうした非電源型のサインが他の避難所や公共施設にも展開されることで、災害に強い街づくりがさらに加速することが期待されます。焼津市の取り組みは、防災先進地域として全国の自治体に示す好例となるでしょう。