導入事例

電源不要で光る車止め|アベイラス アルシオールが岸壁の安全を支える

港湾施設における視認性と耐久性の課題

港湾施設は、潮風や波しぶき、日照、塩害といった過酷な自然環境に常時さらされるインフラです。船着場や岸壁に設置される車止めや視認性向上装置には、高い耐久性と安全性が求められます。

従来は内照式の標識灯や照明設備が一般的に使われていましたが、これらは電源供給が必要で、故障・劣化によるメンテナンス頻度の高さが課題となっていました。電気系統の不具合は安全性を損なうだけでなく、維持管理コストを押し上げる要因にもなります。

こうした港湾特有の課題を解決すべく、注目されているのが高輝度蓄光材を使用した「アベイラス アルシオール」です。電源を使わずに光り、かつ高い耐久性を備えたこの製品が、港湾の新しいスタンダードとなりつつあります。

従来製品との違い|アベイラス アルシオールの構造と特長

「アベイラス アルシオール」は、従来の内照式灯具や反射シートとは一線を画す電源不要の高輝度蓄光材を用いた視認性向上製品です。日中の太陽光や人工照明を蓄え、夜間や停電時にも自ら発光する特性があり、電源や配線工事が一切不要という利点があります。

特筆すべきは、JIS Z 9096(蓄光製品の耐久性評価基準)の全16項目を唯一クリアした製品であること。塩害や摩耗、紫外線、温湿度の変化といった劣化要因に強く、港湾のようなハードユース環境でも高い性能を長期間維持します。

さらに、同シリーズには「アルシオール サインプレート」「アルシオール ステップ」「アルシオール ライン」など多様な製品ラインナップがあり、すべてが国土交通省のNETISに登録済み。信頼性と公共施設での導入実績の両面において、群を抜く実力を持つ製品群です。

岸壁・船着場での設置実例|設置状況と使用製品

今回紹介する施工現場は、船着場岸壁の車止め部および沿岸通路の境界部。ここに設置されたのは、「アベイラス アルシオール ライン」と「エンドキャップ型蓄光装置」です。

車止めの上部には長尺の蓄光ラインが設置され、船舶の接岸エリアの視認性を昼夜問わず確保。エンド部には蓄光型エッジカバーを用いることで、岸壁端の存在をより明確に示し、接触事故や転落事故を防ぐ構造となっています。

これらの部材は、躯体に直接固定可能な設計になっており、設置もシンプル。潮風や飛沫、日射に対しても強く、経年劣化を抑えた美観維持と安全性向上の両立が図られています。港湾関係者からは「視認性が高く、安心感がある」との声も多く、導入後の効果が実感されています。

維持管理コストの削減と導入効果

「アベイラス アルシオール」の大きな特長は、導入から運用にかかる維持管理コストが非常に低いことです。従来の照明付き標識では、定期的なランプ交換や電源系統の点検が必要で、長期運用で数十万円単位のメンテナンス費用が発生するケースもありました。

一方で、本製品は電源を必要とせず、部品交換も不要。初期費用は一部の従来製品の1/5程度に抑えられるケースもあり、港湾管理者にとってはコスト面でも大きな魅力となっています。

また、停電時や災害発生時でも発光するため、非常時の避難誘導・夜間作業の補助としても効果的。安全性・信頼性・経済性の3要素を高レベルで兼ね備えた防災視点でも非常に優れたソリューションです。

災害対策や今後の展開にもつながる将来性

「アベイラス アルシオール」は、港湾施設だけでなく、津波避難施設や防災倉庫、避難経路の視認性向上にも幅広く活用されています。実際に、全国の自治体が管理する避難所や公共施設でも採用が進んでおり、防災インフラとしての信頼性も確立しつつあります。

電源が不要で、自然エネルギー(太陽光)で機能するという特性は、持続可能な社会づくりとも相性が良く、今後の公共設備や港湾設計において、より高い価値が見出されていくと考えられます。

当社では引き続き、「アベイラス アルシオール」シリーズの技術革新と普及に努め、安全・安心でメンテナンスコストの少ない港湾施設の整備を支援してまいります。

まとめ

港湾施設に求められるのは、視認性・耐久性・安全性を兼ね備えた高性能なインフラ資機材です。今回ご紹介した「アベイラス アルシオール」は、電源不要で自ら発光する高輝度蓄光材を活用し、過酷な沿岸環境でも長期間にわたり安定した視認性を維持できる製品です。

実際の岸壁施工事例では、車止め部に蓄光ラインを設置し、エンド部には視認性を高めるカバーを取り付けることで、昼夜を問わず船舶や歩行者の安全をサポート。従来の照明設備に比べ、導入コストは最大で1/5、かつメンテナンス不要という圧倒的なコストパフォーマンスを実現しています。

さらに、JIS Z 9096全項目適合・NETIS登録済みという高い信頼性に加え、津波避難施設や公共施設での豊富な採用実績もあり、防災インフラとしての将来性にも注目が集まっています。

「光る車止め」は、いまや夜間安全対策や災害対応の一翼を担う重要な存在です。アベイラス アルシオールは、港湾施設の“これから”を支える、新しいスタンダードとして全国での導入が期待されます。今後も、安全かつ持続可能な社会の実現に向けた有力なソリューションとして、その活用の幅を広げていくことでしょう。

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